蒼のウィステリア

藤色雨とリシテアの台本や情報をまとめています。

【声劇台本】バ美肉ファンタジー(男性1:女性2:どちらでも1)

忍(しのぶ)♂ 年齢 20代前半
男の声をした美少女、中身はただの大学生

素直(すなお)♀ 年齢 10代後半
可愛い声のマッチョマン、イケメン

クレア   ♀ 年齢 20代前半
ママ味溢れる司祭様

スーさん 性別不詳 年齢不詳
うるさいスマホ

 

スーN「ある日の朝、日本のどこかで一人の青年が道を行く」

忍「はぁーあ、なんかいいことないかなぁ」

スーN「彼の名は忍、しがない大学生だ、なんの変哲もないただの人間、
    強いて言うなら中性的な名前にコンプレックスを持つどこにでもいる思春期の男だ」

忍「さっきから聞いてりゃ失礼なナレーションだなぁおい!?」

スーN「あ、よそ見なんてしてると危ないですよ、ほらトラックが」

忍「へ?う、うわぁああああ!?」

忍M「視界がゆっくり流れていく、あぁこれが走馬灯って奴か、
   終わりって本当にいきなりなんだな・・・」

クレア「勇者よ、まだ死ぬ時ではありません、さぁ体をそのまま委ねて・・・」

(SE鳥のさえずり、なければクレア役のさえずり)

忍M「何か、聞こえる・・・まさか俺、生きてる・・・?
   けどダメだ、喉が渇いて仕方が無い・・・」

忍M「ここはどこだ、森の中?俺はどこまで飛ばされたんだ・・・、
   あ、泉だ、水、水が飲みたい・・・」

スーN「彼が水を飲もうと泉を覗き込むと、そこには絶世の美少女が映り込んでいた・・・」

忍「まさか、これが俺?って声はそのまんまかよ!?」

スー「相変わらず騒がしい方ですね、私の主は」

忍「っ、誰だ!」

スー「私ですよ、っと言ってもこの姿では分からないでしょうけどね」

忍「・・・俺の、スマホ?」

スー「おぉ、なんて察しのいい!いややはり四六時中一緒にいただけの事はありますねぇ!」

忍「なんでスマホが宙に浮かんで喋ってんの・・・やっぱりここ死後の世界なのか・・・?」

スー「え、何を仰るウサギさん、そんなはずが・・・って本当に私スマホのまんまですねぇ!?」

忍「うるさいなぁ、どっからどう見てもスマホだよ、ってかそうだよ俺喉渇いたんだよ」

スー「流石は誰とも馴染めないのに仕事の順応性だけは高い主、この状況にも順応が・・・」

忍「失礼極まりないなお前!?そしてやたら俺に詳しいなぁ!」

スー「それは主のスマホですからね!片時も離さなかったあのスマホさんですよぉ!」

忍「んなバカな、それが本当なら」

スー「あ、そんな乱暴に掴まないで」

忍「カバー外したところに・・・あぁ!?」

スー「そうプリクラが、初恋の・・・!」

忍「うわぁああああうるさいうるさい!」

スー「信じて頂けましたか主」

忍「超信じた、なんて悪趣味な夢だ・・・」

スー「夢なんかじゃありませんよ、これは現実です、そして主は美少女に転生したのです!」

忍「声はそのまんまだけどなぁ!」

スー「まぁまぁ、とりあえずは現地民を探しましょう、
   土地勘の無い私達だけでは道に迷ってしまいます」

忍「いやマップアプリ開けよ」

スー「はっ、その手が!っと言いたい所ですが、
   ここにはGPSは愚か4Gも3Gも飛んでないんですねぇ」

忍「って事はお前まさか・・・」

スー「えぇそうです、コミュニケーションの取れるスペシャスマホです!」

忍「電源切るか・・・」

スー「あぁ待ってそんな殺生な!寂しくないんですか心細くないんですか!」

忍「・・・うるさいけど一人になるよりはマシか」

スー「そうでしょうそうでしょう」

忍「そんじゃ現地民捜しに行くぞ、スーさん」

スー「はぅ!主が遂に私に名前を!?」

忍「あーうっさいうっさい」

スーN「それから数刻・・・」

忍「いやなんだこの森!なんでモンスターなんかいんの!?」

スー「ほら言ったでしょう、ここは異世界だって」

忍「いや聞いてねぇけどぉ!?」

スー「あらそうでしたか、そう私達は異世界転生したのですよ、
   今流行の異世界転生ですよー」

忍「じゃあもうちょっと不思議な力とか持ってろよ、なんで可愛いだけなんだよ俺!」

スー「可愛くなっただけいいじゃないですか!私浮いて喋れるだけですよ!」

忍「いや充分だろ元々ただの無機物なんだから!」

スー「それもそうですね!」

忍「もうヤダこいつー・・・」

スー「む、私のすれ違いセンサーが気配をキャッチですよ!」

忍「はぁ?」

スー「こっちです、着いてきてください!」

忍「あ、待て勝手に行くなよ!」

スー「っと、ほら、あそこです、見て下さい」

忍「なんだ・・・って人だ、しかも筋肉モリモリでデカい斧持ってる」

スー「超強そうじゃ無いですかイケメンだし、しかも私のソーシャルセンサーが訴えかけています、
   あの人はいい人ですイケメンだし、間違いありません」

忍「さっきから変なセンサー働きまくりだな、そしてイケメン押すな・・・」

スー「いいからいいから、まずはアタックですよ、色仕掛けで味方にしてしまうのです」

忍「いやこえぇよ・・・、でもこの世界の情報は欲しい・・・、
  えぇい、なんとでもなれ・・・!すみません!」

素直「ひぃいいい!男の人ぉおおおお!?」

忍「いや声可愛いなぁおい!」

素直「・・・あなたも声に似合わず可愛らしいね?」

スー「隠れ切れてませんよ、はみ出しまくりです」

素直「うるさいなぁ!?私だって好きでこんな見た目してるんじゃないんだからね!?」

忍「え、って事は」

素直「そうだよ、私、今はこんなゴツい戦士だけと、本当は超絶美少女なんだから」

スー「バレない事を良いことに言い放題ですね」

素直「よしそのうるさいスマホ壊そう」

スー「ひぃ!助けて主!」

忍「少しは懲りろお前」

スー「味方不在ですか私!?」

素直「よーし、覚悟しろー!」

クレア「お待ちなさい素直」

素直「っ、司祭様!ごめんなさい!」

クレア「もう、探して保護して下さいとお願いしたはずなのに・・・」

スー「・・・ママ」

クレア「え、なんですか?」

スー「ママだ・・・」

忍「いや、お前その即オチは止めろよ」

スー「はっ、これはいけない、私はスマホのスーさんです、
   美しいあなた、お名前をお聞かせ願えないでしょうか」

素直「え、美しいなんてそんな、私は素直って・・・」

スー「筋肉ダルマは黙ってて下さい」

素直「傷つく!」

クレア「まぁ素直の筋肉は確かに美しいですからね、それはそうと、
    私はクレアと申します、ようこそいらっしゃいました、勇者様」

スー「え、私勇者だったのですか!?」

クレア「いえ、ちょっと妖精さんは静かにしててもらってもいいですかね・・・」

スー「はいママ」

忍「急に素直だな」

素直「私はずっと素直だよ?」

忍「いや、ややこしいなぁ!?」

クレア「こほん、よろしいですか?」

忍「あ、ごめんなさい」

クレア「あなたです、そこにいらっしゃる男の声帯持つ美少女のあなた」

忍「改めてそう聞くとパワーワードだなおい」

クレア「・・・お名前は?」

忍「ひぃん、忍です!」

クレア「忍さんですね、お待ちしておりました、あなたこそ伝承の勇者様」

忍「伝承って・・・?」

クレア「世界に闇訪れし時、鈴の音の声を持つ筋骨隆々なイケメン現るだろう」

忍「何言ってんだ」

クレア「そしてその者、妖精従えし男の声帯持つ美少女を導くだろう」

忍「いやだから何言ってんだ」

クレア「そして彼の者こそが勇者なり」

素直「何度聞いても最初と最後しか耳に入らない」

忍「すげぇ同感」

スー「つまり私は妖精なのですね!」

クレア「えぇ、まさかそんなに平べったく四角い妖精さんだとは想像もしませんでしたが」

素直「喋るスマホが妖精とか何を信じて生きていったらいいの・・・?」

忍「メッチャ可愛い声のマッチョマンに言われてもなんも説得力がないんだよなぁ」

素直「その言葉そっくりそのまま返してあげる、男声の美少女さん」

スー「不毛な争いは止めましょう、戦士と勇者、ママが話したがってます」

クレア「私は司祭のクレアと申します、間違っても母親などではありません、いいですね」

スー「イエスマム」

忍「大分失礼だな」

クレア「まぁ構いませんよ、人ならざる物に機微は期待していませんもの」

素直「司祭様はとても大らかな方なんだよ、凄い包容力なの」

忍「それはなんとなく伝わる」

クレア「ふふっ、それはよかった、忍さん、
    この世界に来たばかりで分からないことだらけでしょう」

忍「まぁ、そうだね、勇者って言われても全然ピンとこないし」

クレア「それはそうでしょう、そこの素直も同じでした、三日三晩は泣きはらしてましたし」

素直「筋肉モリモリマッチョマンとか何も嬉しくないよぉおおおおお!」

クレア「殿方から行為の目を向けられない姿、とても羨ましいと思うんですけどねぇ・・・」

忍「美人は美人で大変なんだな・・・」

クレア「お疲れでしょうし、まずは教会へ向かいましょう」

素直「話の続きはそこでゆっくりね、ぐすん」

スー「あぁママのお家に行けるなんて、私幸せです」

忍「俺はこんなんが自分のスマホで悲しいよ・・・」

クレア「では素直、先頭はお任せします、行きましょう」

素直「うん、分かったよ、それじゃ着いてきて!」

忍N「こうして、可愛い声のマッチョマンと、ママ味溢れる司祭様、
   スマホ妖精と俺の旅が始まるのだった・・・」

スー「そう!忍達の旅はまだまだ続く!続くったら続く!」

忍「いやそれ打ち切りの常套句だよねぇ!?」

 

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