蒼のウィステリア

藤色雨とリシテアの台本や情報をまとめています。

声劇台本【わたし達、こうして出逢いました】(作者・リシテア・フォン・ツアベル)

青木♂ 30歳ほど
新郎とは小学校からの友人、同窓会気分で来たら知り合いが一人もおらず、
気まずくなって隅っこの方で一人飲んでた。


高村♀ 30歳ほど
新婦とは幼い頃からの友人、地元が遠方という事もあり知り合いが一人もおらず、
会場をふらふらしていた所を隅っこに寂しそうな男を見つけ、絡みに行く。


(結婚式披露宴、グラスを持ち壁に背を預ける青木)

青木「はぁ…、一人くらい知ってる奴来るだろうと思ってたんだけどなぁ…」

(青木会場を見渡す)

青木「顔見知りが新郎だけとはな、はぁ…」

高村「こら、人の晴れ舞台だぞ、何辛気臭い顔してるのよ」

青木「うぉっ、ごめんなさい!」

高村「あははっ、そんなマジで謝らないでください、
   冗談みたいなもんですから」

青木「それならよかった、いや俺も良くないとは思ってるんすけどね」

高村「なんかあったんですか?もしかしてあの子の事好きだったとか?」

青木「ぶっ、そんな訳ないでしょ、そもそも新婦さんとは初対面ですわ」

高村「それは失礼しました、そしたらどうしたんです」

青木「いやぁ、知ってる人いるかなぁって気軽な気持ちで来たらさ、
   あいつしか知り合いいない訳」

高村「あー、新郎新婦は色んな人とお話するからね、
   独占する訳にもいかずって」

青木「そうそう、いやぁ、参っちゃった」

高村「分かる分かる、参っちゃうよね」

青木「おや、その口ぶりは」

高村「ご察しの通り、私もその口、知り合いあの子しかいなかったの」

青木「なるほど、お姉さんもお一人様と」

高村「高村」

青木「え?」

高村「お姉さんじゃなくて高村、見た所似たような世代でしょ、
   私の方が年上みたいな言い方やめてもらえますー?」

青木「あはは、それは失礼しました、そしたら俺の事も青木って呼んで」

高村「青木くんね、それじゃお一人様同士の出会いに乾杯しましょ」

青木「やな乾杯だなぁ、新郎新婦の未来にでいいじゃん」

高村「それもそーだ、それじゃ」

青木「乾杯」

高村「乾杯」

青木「はぁ、この酒美味しいなぁ」

高村「お、流石に味くらいは分かってたぞ」

青木「うるへぇ、改めましてだよ」

高村「またまたー」

青木「さてはからかい好きだな」

高村「ムードメーカーって言ってちょうだい」

青木「そういうのは自分から言わないもんなの」

高村「最初は人から言われてたもん」

青木「はいはい、そういえばさ」

高村「ん?」

青木「高村はあの子と古い知り合いなの?」

高村「そーよ、地元が一緒なの」

青木「あぁじゃあ今日は北の方から」

高村「ううん、私も上京組」

青木「お、そうなんだ」

高村「新郎さんは生まれも育ちも関東だったよね」

青木「そうそう、あいつとは小学校から一緒でさ」

高村「あはは、そりゃ同級生来るって思うよね」

青木「そうそれなんだよ、みんな仕事で忙しいんだってさ」

高村「青木くんは暇人?」

青木「慶弔休暇取ったんですー、ニートみたいに言わんといでください」

高村「ごめんごめん、それもそうよね、綺麗な礼服着てるし」

青木「おーこれ高かったのよ、高村さんもドレス似合ってるじゃん」

高村「そーこれ高かったの、一目惚れで買っちゃった」

青木「いいじゃん、巡り合わせって感じで」

高村「そう言って貰えるとこの子も喜ぶわぁ」

青木「あはは、中身は喜ばないんかい」

高村「嬉しくない訳ないでしょー、野暮なこと言わさないでくださいー」

青木「ははは、仕返しだ」

高村「そういうからかい方はずるいと思います」

青木「失礼しました、いやぁ、今日は来てよかったわぁ」

高村「美味しいお酒になった?」

青木「お陰様で、そっちも少しは楽しんでくれた?」

高村「えぇお陰様で」

青木「…なぁ」
高村「…ねぇ」 (二人同時に)

青木「あーお先にどうぞ」
高村「あーお先にどうぞ?」 (二人同時に)

高村「あはは、私たち気が合うんじゃない?」

青木「ははっ、そうだな、そしたらせーので言ってみようぜ」

高村「えーそこで合わなかったらどうするのよ」

青木「それはそれで面白いからあり」

高村「もう、本当に野暮な人、まぁいいけど」

青木「うし、それじゃ行きましょ」

高村「そうね、行くよ、せーの」

青木「連絡先交換しませんか?」
高村「連絡先交換しませんか?」 (二人同時に)

 

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