【声劇台本】城田さんと山本さん(1:1(性別問わず)
一応男女前提で台本を書きましたが、どんな組み合わせでもひどい感じになる台本なので、性別は問わない台本にしています。
山本……部下なのに、上司で恋人の城田に上司ぶるように強要される
城田……上司、厳しくSっぽいといわれるがドM
山本「ちょっと城田さん、この報告書、どうなってるんですか……データの数値が微妙にずれているじゃないですか」
城田「あ……すいません、データをちゃんと処理し切れてなくて……すぐに直します」
山本「城田さん、あなたはケアレスミスが多過ぎです、どうしてそんなに不注意のミスをするのですか。もったいなくてしょうがない」
城田「すいません……すいません……」
山本「ちょっとやめてください……そんなに泣きそうな顔されても困ります。どうかなると思ってるんですか」
城田「いえ……それは……うう」
山本「はあ、神経がまだ青い学生なんですかね……まったく……ちょっとこっちへ、そんな顔で働かれても困るんで」
城田「はい……」
山本「まったく、手がかかる……」
城田「はぃ……」
山本「……あの」
城田「どうされたんですか? 山本部長」
山本「いやいやいやいや、その言葉そのまま返しますよ城田部長」
城田「え? あー、私のこと、部長って言った」
山本「いやいや実際そうでしょ、あなた部長でしょ。ボク、あなたの部下でしょ」
城田「そうだけど……でもここウチだし、逆転ごっこしてもいいじゃない」
山本「分かりますけど、このロールプレイ趣味じゃ無いんですけど」
城田「え、私、山本さんが厳しく、私を追い立てるの、ぞくぞくするんですけど」
山本「ううう。ああああーなんで彼女がドMだったんだよぉおおお」
城田「そんな、恋人がドMってダメですか? ドMには人権がないんですか? 何って言うか、ああ、家畜みたいに扱われるってことなの……え、きゅんとしちゃう……」
山本「ボクはSMじゃなくていいんですよぉ、別に痛めつけて喜んじゃうひとじゃないんですよー」
城田「大丈夫です、私、知ってますから。ドSの方は、サービス精神に満ちあふれた紳士だと!」
山本「城田さん……ボクはあの、あなたが厳しくても面倒見のいい方だと思ってました、それは正直変っていません」
城田「山本さん……」
山本「あなたがいたから、凡ミスばかりの自分がどうにか一人前になれたのです」
城田「確かに……あなたは仕事に時間がかかってしまって、能率を考えるのが下手でした……ちょっと焼きもきしてましたが、工夫を重ねれば、人の何倍も仕事が出来ると分かってました」
山本「そうです、まさにその通りです」
城田「あなたは私の指示やアドバイスに従ってくれた……なかなかそういうことを皆が皆できるわけじゃないです。私はそう、アナタの仕事への姿勢が格好よかった……」
山本「惚れるきっかけはいろいろとあるでしょうが……少なくともボクたちの場合は、SMは関係ないかと」
城田「確かに……」
山本「どうか、初めの気持ちにもどりましょう。ね、城田さん」
城田「山本さん……そうですね、その通りです。けれどこんな時なのですが、お願いがあるんです」
山本「はい、なんでしょう」
城田「今の優しい口調で、鞭を一発いただけませんか?」
山本「……はい?」
城田「私はあなたの姿勢に惚れました。それは本当に本当です」
山本「う、うん」
城田「でも私は、いつも自分を隠しています。好きな人の前だけではそんな自分を解放したいんです」
山本「城田さん……」
城田「私に愛を込めて鞭をいただけませんか? SMだからってだけで嫌悪せずに……」
山本「そうなのですか……なら、ボクの情けない好きなことを受け入れてもらえませんか? あなたに鞭をふるうかわりに」
城田「それはどういう……」
山本「ボクを踏んで下さい、あなたのその足で」
城田「え?」
山本「ボクもドMなんです……ずっと怒られていた時期、正直とても興奮してました」
城田「あら……山本さんまで」
山本「うう……」
城田「わかったわ、山本さんの踏んで欲しいところ、いっぱい踏んであげる」
山本「ありがとうございます!」
城田「ふふ、覚悟をしなさいよ、私……本気だから」
山本「俺も、君が泣いてもやりつづけるから……覚悟しろ」
城田M「こうしてとあるカップルは仲良くなりました、今まで以上に」
山本M「夜ごと二人の部屋からは、いろんな音が聞こえたとか聞こえないとか……お、おしまい」